地下牢の囚姫-1
「んっ……あ……」
内壁が淫らにひくついて、胎内に埋め込まれた男を締め上げてしまう。
恥ずかしくてたまらないのに、どうしてもサーフィは止められない。
止められないのは内側だけでなかった。
喉が壊れてしまったかのように、熱を含んだ甘い声がどんどん零れ落ちていく。
「や…………ん、ふぁ……」
切ない疼きは大きくなる一方で、あふれだした涙が頬を伝い落ちる。
足りない…もっと刺激が欲しい…頭の隅でそう囁く声に、必死で抗おうと首をふる。
「辛そうですね、サーフィ。」
自分で追い詰めているクセに、ひどく優しい口調で、青年が笑う。
処女だったサーフィの身体を、たった三日でここまで淫らに作り変えた張本人だ。
サーフィが肌着一枚身につけていないのに対し、青年はネクタイを軽く緩め、繋がるためにズボンの前を開けているだけだ。
表情さえも情事の最中とは思えない、憎らしいほどの余裕を見せ付けている。
ベットに腰かけた青年の上に、サーフィは向かい合う形で座らされていた。
ぐっしょり濡れて、とろけきっている秘所は、自分の体重がかかっている分、よりいっそう深く青年と繋がっている。
「くく……そろそろ、もう一度イきたくなってきたんじゃないですか?」
「ヘルマン……さま……お、お願……です……も……許し……」
ろくに力の入らない身体は、自力で支える事ができず、ヘルマンにすがりつくように、もたれかかってしまう。
右手首に付けられた鉄枷の鎖が、重い金属音をたててすれた。
「僕にも都合がありますので、そういうわけにもいきません。」
美しく整った顔に、人当たりのいい笑みを浮べ、平然とヘルマンが残酷なセリフを投げつける。
「自分で動いて、相手を楽しませるのは、国王の寵姫には重要なスキルですよ。」
狭い蜜道をいっぱいに押し広げている男のものも、これ以上ないほど熱く硬く張り詰めているのに、興奮しているそぶりもみせず、彼は動こうとしない。
「そんっ……な……あ……」
そんな恥ずかしい、淫らな事をできるわけがない。
そう抗議しようとした唇は、ヘルマンのそれで塞がれる。
「んっ、ん、ふ……」
彼の舌が唇を簡単に割り開き、上あごの縫い目から歯列まで、丁寧になぞられる。
ゾクゾク沸き起こる快楽に、砕けそうな腰が揺らめく。
肉棒の先端を押し当てられている子宮口が、青年の精液を欲しがって貪欲にひくつく。
とろり……太ももに、熱い蜜が流れ出た。
「ん!!」
下腹部の間にねじ込まれたヘルマンの手指が、繋がっている部分を嬲り出す。
「んぅっ!う!」
淫核を軽く刺激され、サーフィの身体がのけぞり強張っった。
だがイく寸前で無情にも指は離され、残酷な飢餓感だけが与えられる。
「ふ……ぅ……ん、んんんっ!!」
二人の身体の間で、サーフィの大きな乳房が押しつぶされ、形を変える。
薄紅色にまで充血した乳首が、ヘルマンのシャツにすりあげられ、その刺激にさえ、焼け付くような快感が走る。
やっと唇を開放された瞬間、腰を両手で掴まれ、催促するように軽くゆすられた。
「あ、ああ、あ、あ、あっ!!!」
今夜だけでも、すでに何度も絶頂を強いられていた身体は、たったそれだけで、また簡単に達してしまった。
目の前でちかちか火花が散り、柔らかい肉壁が、激しく痙攣の愛撫を繰り返す。
「また自分だけ良くなってしまって。それでは合格点はあげられませんよ。」
意地悪い口調と言葉なのに、ヘルマンの顔はとても愛しそうに、サーフィを眺めて微笑んでいる。
優しく丁寧な口付けが、サーフィの頬を伝う涙を掬い取った。
どうしてそんな事をするのか…と、白く飛びそうになる意識のなかで、胸が痛くなる。
『国王寵姫』
その言葉が、サーフィの心臓に突き刺さる。
ヘルマンはサーフィを、国王の性玩具として教育するため……プライドもなにもかもへし折って屈服させ、堕とすため……それだけの理由で抱いているのだ。
それを知っているのに……酷い言葉とうらはらに、こんなに優しく抱くから…。
――――――――――――――――――――――この方を、嫌いになりきれない。