愛妻料理とまぶたの奥-2
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(興奮しすぎだろ、俺…)
内側から鍵をかけボトムに手をかけると、ボクサーパンツは既に小さな染みで一部分だけ色濃くなっていた。素直すぎる欲望に自分でもがっかりだ。お前の期待することなんて一切なくてごめんな、なんて分身に心の中で話しかけ、ボクサーパンツを下ろし便座に腰掛けた。
トイレと風呂場は通路を挟んで隣の間取りで、耳をすまさずともシャワーの音が聞こえる。その音に意識を集中させ、イチモツを軽く手で包むと人差し指の腹でカリの裏側をこすった。
『…っ…ん…』
いつもとしていることは同じなのに、こうも敏感に反応してしまうなんて。やっぱバカだな、俺。
…そういえば…
(昔つき合ってた子と、風呂場でシたことあったな…)
その子の顔なんてもうボヤけてしまっているのに、行為は鮮明に浮かんでくる。あの子も優羽と同じくらいの髪の長さだったっけ、思いながら目を閉じた。
狭い浴槽に湯を張って、あの子を足の間に背を向けて座らせたんだ。恥ずかしがるあの子は浴室の電気をつけることを頑なに拒んでいたけれど、脱衣所のライトは点けっぱなしだったし目も暗がりにすぐ慣れて、小さな抵抗なんて無意味だった。
(薄暗い室内も恥ずかしがりのあの子も、全部エロくてかわいいと思ってたっけ。)
それらの記憶を全て、脳内で優羽に置き換える。
“―――ん…楓さん…うしろ、当たってる…”
“そりゃ、大きくもなるって…”
俺の目の前で、肩を丸めて体育座りの姿勢をしている、まぶたの裏側の優羽。蒸気で汗ばむその肩に、俺は手ですくった湯をかけた。
“はは、濡れてる肩ってエロいね。”
“何それ、意味わかんな―――んんっ…”
首の付け根に何度もキスを降らせると、優羽は腰を捻りこちらを向いた。火照った顔で目をうるませている。唇はだらけて、前歯がこちらをちらりと覗いていた。