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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-1

 ここは西の大陸にある魔法大国ゼビア。

 ゼビアには騎士団という国を守る為の組織があり、団長をトップに主に城内警備の30人の近衛、20人居る隊長は30人単位の騎士団員をまとめ、国のあちこちに配置されている。
 常駐はひと月単位で交代するが、優秀な5隊は城を中心に行動する。

 その中のひとつ、アース隊は曲者揃いで有名。
 そんなアース隊の隊長は、ゼビアの次期国王代理にして魔法使い最高ランクの魔導師の称号を持つアース=サクライ、26歳。
 左目しかない金目は眼光鋭く、大きく傷が入って閉じたままの右目は黒い髪で隠している。
 高い身長に均整のとれた筋肉質な体は、老若男女問わず大人気。

 そして、その妻キアルリア=C=ファン、21歳。
 実は全大陸の中心に位置する島国ファンの姫。
 肩位の長さのプラチナブロンドの髪はサラサラのストレート、新緑のような瞳は吸い込まれそうな魅力を持つ。

 この2人の馴れ初めや背景などの詳しい話は、今までの物語を読んでいただくとして……。

 その若い夫婦が今、騎士団の訓練場で剣を交えていた。

ギャキィン

 交差したアースのロングソードと、キャラの片刃の長剣が火花を散らして離れる。
 ザザッと距離を取った2人は同時に息を短く吐いた。

「さぁ……延長戦だ」

 アースがニヤリと笑い、キャラは小さく舌打ちをする。
 延長戦に持ち込まれると体力の無いキャラが大抵負ける……が、キャラは負けず嫌いなのだ。

「思い通りに行くと思うなよ?」

 キャラは長剣をパシンと逆手に持ち替え、アースに向かって走る。
 アースは攻撃と防御のどちらにも対応できるように、ロングソードを正面に構えた。
 アースの右側へ回り込んだキャラは軽くしゃがんで地面を蹴る。

「!?」

 しゃがんだので足払いかと思い数歩後退したが、キャラの姿が無かった。
 代わりに地面にあるのは薄い影。

「!!上かっ!」

 慌てて視線を上げると、体を大きく開いたキャラが勢いをつけて体を前に捻った所だった。
 遠心力を利用した上に、全体重を乗せた長剣がアースのロングソードとぶつかる。

ガギィッ

 武器の根元同士がぶつかり、2人の手から武器が弾かれた。

「!!」

 肩からのしかかってきたキャラに押し倒され、アースは背中から地面に倒される。

「ぐっ」

 気がついたら首に股がったキャラが両方の二の腕を膝で押さえつけ、眉間に小刀を当てていた。

「逆転勝利」

 にっこりと艶やかに微笑むキャラに、アースは息を吐いて降参宣言。


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