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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-9

「……とりあえず様子を見るぞ」

「了解」

 2人はコソコソと話して気絶したフリをした。
 近づいて来たのは多分、男……全身黒ずくめで顔も隠しており見えるのは目の部分だけ。
 男はアースの肩に足を置いてぐいっと押す。
 仰向けに転がったアースの服を捲りあげ腹の辺りを撫でる。

(うげぇっ気持ち悪ぃぃ〜)

 妙に官能的な手の動きにアースの全身に鳥肌が立った。

「よし、ここの2人も連れて行け」

 男は何かに納得して他のメンバーに声をかける。
 2人は後ろに回された手を縄で縛られ、担ぎ上げられてホロ付きの馬車に放り込まれた。

「……ふむ……」

 魔法陣から出たので重力は通常に戻ったが、下腹辺りの絞めつけ感が残っていると言う事は魔力封じの力は働いている。
 周りの様子を探り、大丈夫そうだと判断したアースはもぞもぞと体を起こした。

「縄か?」

 アースはぐっと力を入れてみるが縄はビクともしない。

「無理だよ。スネークの縄は解けない」

 捕まっていた何人かの内の1人がアースに話かけた。

「あんたは?」

「誰でもいいさ……あんたらと同じく間抜けな奴だよ」

「スネークって……」

 以前、キャラが首謀者を半殺しにしてアースがアジトを山ごと吹っ飛ばした人身販売組織の名前に、キャラは眉をしかめる。

「知ってるか?ちょっと前にセブの裏組織を牛耳っていたが、ゼビアに勢力を伸ばした途端に潰されたんだ」

 潰した当の本人達は微妙に視線を反らしてぬるく笑った。

「首謀者の男はセブの留置所に入っていたがひと月足らずで脱獄。で、復活だな。噂じゃゼビアに復讐するらしい」

「ふうん……何で男も拐ってんだ?」

「戦力になるし、最近は男の方が高く売れる。特に筋肉質なタイプは」

 成る程、だからさっき腹筋を触られたのか。
 ふと横を見るとキャラが肩を震わせて笑っていた。

「笑いたきゃハッキリ笑えよ」

「だって……絶対売れ残る……」

 こんな反抗的な商品は売れても直ぐ返品だ。

「高くで取引される自信はあるぞ?」

 見た目は良いのだから黙ってれば良い値がつく。


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