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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-6

「はい。プレゼント」

「?」

 なんだかえらく古い本を受け取ったキャラは、きょとんとして本とデレクシスを見比べる。

「それ、フィシュラがあんたに渡してたヤツじゃね?」

 アースの言葉に、キャラはそういえばそうだったかも、とまじまじと本を見つめた。
 という事は、500年前の書物という事になる。

「サガンが書いたみたいなんだ。読んでみて」

 サガンと言えば500年前の召喚師だ。
 キャラは本を開いて……ビキッと固まる。

「あれ?キアルリア姫?」

「ん?……あぁ、古代文字か……こいつ苦手なんだよ」

 固まったキャラの手から本を取り上げたアースは中を見て納得した。
 500年前の書物なのだから当然と言えば当然だろう。

「え!?どこの国でも王族は古代文字必須教育じゃないか!」

「そうなのか?うちの王様も読めないぜ?」

「本当かい?!ゼビアとファンの教育はどうなってるんだ?!」

「姐さんにも苦手なもんがあんだなあ」

「うっさい」

 キャラはデレクシスとバリーに向かって苛立ち気に言い放つ……完全に八つ当たりだ。

「ふうん……キアルリア、これ何とか頑張って自力で読め」

 内容をざっと確認したアースはキャラに本を返す。

「翻訳してよ」

「だ〜め。これはサガンがお前の為に召喚魔法について書いたもんだ。サガンの遺志を尊重して誠心誠意応えろ。魔導師としての命令だ」

 過去に時間移動したデレクシスから、未来では召喚魔法が途絶えていると聞いたサガンは、未来の召喚師キアルリアの為に召喚魔法のノウハウを遺してくれたらしい。
 といっても召喚魔法は魔獣と契約してその力を使う魔法なので、書いてあるのは魔獣との付き合い方みたいな感じだ。

「うぅ……」

「んな薄い本ならやれる。つうか、やれ」

 魔法学校で資料整理をしながら大分勉強したのだが、やっぱり苦手なのだ。
 しかし、アースの言う通りサガンの……いや、召喚師達の遺志を継ぐにはこれは自力で読まねばならない。
 キャラは奮起して本と向き合う事を決意した。

 やると決めたからには徹底的にやる。
 キャラは、古代文字の辞書を片手に必死に読み進めた。
 もちろん、アースもただ見ていただけでなく難しい文法の所は教えてやっていた。


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