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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-2

「参りました」

 悔しそうなアースの声に満足したキャラは小刀を引き、同時に見学していた騎士団員達から歓声があかった。

「相変わらず凄いなぁ」

「隊長ぉ23勝31敗っすよ」

「うっせぇ」

 アースは憮然としてキャラを自分の上から退かして体を起こす。

「ずっりぃなぁ…武器はひとつだろうが」

「女の武器はひとつじゃねぇんだよ」

 ふふんと笑ってキャラはアースの頬に音を立ててキスをした。
 口笛を吹いて囃し立てる騎士団らに、キャラは立ち上がって優雅な礼を送る。

「かっこいいなぁ〜キアルリア姫は」

 その時、見学席から声がかかった。

「デレク王子」

 声をかけたのは南の大陸カイザス国の第3王子、デレクシス。
 只今、ゼビアに滞在中。
 キャラは見学席に駆け寄り、デレクシスを見上げる。

「何か?」

「君にプレゼントしたいものがあるんだ。後で部屋にお邪魔してもいいかい?」

 何だかワクワクした様子のデレクシスに、キャラは首を傾げた。

「いいですけど……プレゼント…ですか?」

「うん。アース殿もぜひ」

 名前が出たのでアースがこっちに顔を向ける。

「今日は5時あがりだ」

「分かった。じゃあ7時頃に」

 デレクシスは手を振ると、後ろで待っていた女性達の所へ向かって行った。

「……軽薄王子は卒業したかと思ってた……」

「傷心なんだから大目に見てやれ」

「傷心に見えねえ」

 愛する人と出逢って別れて、更に2度と逢えなくて……かなり精神的に辛いはずだが、女達をはべらせてにこやかに歩いて行くデレクシスの後ろ姿は嬉しそうに見える。

「ああでもしてなきゃやってらんねぇんだろうよ……」

 にこやかに女性達と話しているデレクシスは常に自分のネックレスをいじっていた。
 以前は見られなかった癖だ……無意識なんだろう。


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