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欲望
【その他 官能小説】

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第2章-1

最近、エリカの会社の株価がジワジワと下がり始め、
エリカはいらいらしていた。
あれほど順調だった仕事もしっくりいかず、
何かが狂い始めていたのを感じていた。

ただその原因が分からず、エリカは焦るばかりである。
部下達から報告を受ける内容は、どれも思わしくない。

売り上げはそれほどに下がっていないのだが、利益率が上がらない。
今までは、社長の幸彦の強引さで仕事を受けていたこともあるが
その手法にも陰りが出てきたのかもしれない。

エリカの高星商事のような規模の会社は沢山ある。
何でも扱う総合商社は、或る程度の強引さは必要だが、それも限度がある。
一度相手のその会社から愛想をつかされると、連鎖反応的に成績は落ち、
その影響は少なくないからでもある。

そんな業績不振にいたたまれずに
営業本部長代理のエリカが直接出向いて商談をまとめたのも、
エリカの焦りからだった。

エリカの美貌は、会社の貢献度には或る程度には幸いしていた。

彼女が行かなければ、おそらくその商談はまとまらなかっただろう。
それ程に、その仕事は会社にとっては大きかったからである。

彼女はその代償として、
誰にも言ってはいなかったが、彼女自身の肉体を提供したのである。

どうしても落ちない会社には、じきじきにその会社の社長に体当たりしたことも、
一度だけではない。


朝駆け、夜討ちと、プレゼント攻撃で攻め、会食にも頻繁に付き合った。
或る程度はそれで契約が成立する。

それでも落ちない場合には、
最後の手段として、女の武器を駆使しホテルで肉体を提供するのだ。


エリカの美貌と、その豊満な肉体を魅せられては、男としてはお手上げだった。
多くの中年の経営者達は彼女の身体を貪り、歓喜の声を上げる。

そして、その熱が醒めやらない翌日にエリカはその会社に出向き、
しっかりと契約を結ぶのである。
こうして契約した会社の数は両手の指の数では収まらない。


このエリカの身体を張った強引なやり方で、落ちない最高経営者は殆ど居ない。
唯一には、その男は女には興味が無い男だった。
いわゆる女には勃起しない男であり、同然に男色である。

何故それまでしてエリカが契約にこだわるのか、
それは彼女の夢があった。

エリカはいつか社長から、その地位を譲り受け自分が社長になることだった。
それまでに多くの契約をし、少しでも自分の力で会社に貢献したかった。

その熱い思いがエリカにとっては生き甲斐だった。
エリカの夢の源は、幼いときの虐げられた貧しい環境にある。




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