第2章-8
いつしか貞淑な女だった幸は狂い始めていた。
女は一度、性欲に目覚めるてくると、その本能の火を消すことは難しくなる。
夫と死別し、後は可愛い子供達の成長だけを楽しみに生きようとした自分。
しかし、この家に着て、主人に抱かれてからその心に揺らぎが生じた。
そのきっかけは、ストリップ劇場で、若い男に入れ替わり犯されて時からだった。
幸はあの時、確かに恐ろしかった、怖かった。
だが、もう逃げられないと知ったとき、彼等に犯されながら・・
実は、幸は膣を犯されながら何度も逝ったのである。
狂うような若者の太いペニスで掻き回され、女を目責めさせられたのだ。
彼等に気づかれないようにしたのだが、熟年の幸の身体は反応していた。
あの時、一人に起ったまま犯された状態で、
もう一人の若者に乳房を揉まれ、クリトリスを吸われたときだった。
忘れていた女の喜びに、身体が震え、思わず自分は逝ってしまった。
さらに、四つん這いにされ、後ろから犯されながら、逝かないようにと
自分に言い聞かせていたが、それは無理だった。
彼等に犯され、泣きじゃくってはいたが、あれは逝ったときの誤魔化しだった。
三人に代わる代わる膣を突かれ、犯されながら幸は泣きながら何度も逝った。
あの感覚が今でも忘れられない。
人の前で犯されながら逝くこと・・
こんな恥ずかしいことなど、決して誰にも言えない。
いきなり犯されたとは言え、感じたことは事実である。
自分は卑猥な女・・・
そう思うだけで、子供達に申し訳ない気持ちになる。
出来れば、あの家に帰りたくない。
(死にたい・・)とさえ思ったあの帰り道。
しかし、家に帰った時のあの子供達の笑顔を見たとき、
幸は開き直ったのだ。
(あれは事故のようなもの、私のせいじゃない。
それよりも私はこの子達の為にもっと頑張らなきゃ
もう自分だけ苦しむのは止めよう、残り少ない人生だもの)
そう思うことで、自分を許していた。
しかし、心の何処かで、あの快楽を感じていた自分も許していた。
あの感覚があるからこそ、新しく家政婦として働いたとき
新しい家の主人から、執拗に責められたとき再び許してしまったのだ。
それは、女として性の快楽を封印したはずの(女の性)が息を吹き返した時だった。
幸は(自分という人間を制御出来ないふしだらな女)
いっそのこと、残された人生を為すがままに生きよう・・
そう思い、開き直ることで、幸は気が楽になっていた。
もう子供達だけの人生でなく、自分も女として・・
でも、この先に私はどうなってしまうのだろう。
そう思いながらも、主人に抱かれている自分に酔っているのだ。