淫惑の手-8
気がつくと、窓から朝日が差し込んでいた。眩しい光に目を細めながらまわりを見渡すと、昨日と同じ畳の部屋だった。私の身体には毛布がかけられている。
「ああ、起きたね。おはよう。お母さんには僕から連絡しておいたから」
真一さんがコーヒーの入ったマグカップを片手に、いつもの優しい顔で笑う。
「昨日晩御飯の後、眠ってしまっていたから起こすのも悪いかな、って寝かせておいたんだ。ごめんね、僕が無理やりビールなんか飲ませたから」
コーヒーを置いて真一さんは笑いながら部屋を出ていった。
じゃあ・・・・あれは、夢?よく考えたら、真一さんがそんなことするわけないわよね。
私はひとりで苦笑しながら毛布をめくった。
その下には脱がされた下着と、私の愛液で汚れた畳があった。
(おわり)