淫惑の手-5
「あんっ……いやっ……いやあっ……」
真一さんの手には絵筆が握られていた。開いた足の間を、その絵筆がくすぐるように撫でていく。クリトリスを柔らかな絵筆の先で何度も弄られる。これまで感じたことの無いような感覚が駆け抜ける。怖い、こんなの、だめ……
「やめて……お願い、やめてください……」
「気持ちいいんだろう?ほら、こんなになってる」
ぐっしょりと足の間を濡らす粘液を指先ですくい取って、私の目の前に見せつける。
「真一さん、恥ずかしい……もう、やめて」
私の言葉など聞こえないかのように、真一さんは指を挿入して、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を部屋中に響かせている。
あの素敵な指が、いま私の中でこんないやらしいことをしている……
そう思うと、身体の芯から燃えるような興奮が襲ってきた。自分でも無意識のうちに指の動きに合わせて腰を振っていた。恥ずかしいはずなのに、こんなの、だめなはずなに。
身体をのけぞらせて、もっともっとと叫ぶ。それはまるで、自分の声ではないみたいで……