淫惑の手-3
少しだけ大人になったような気持ちになった。
気がつくと、わたしは居間の畳の上にコの字の形で横になっていた。いつのまにか眠っていたらしい。まぶたが重く、体がだるい。
……なんだろう。なんだか変な感じ。
うっすらと目を開けてみる。私の顔のすぐそばに、真一さんがあぐらをかいて座っている。やっぱり、変な感じ。お尻のあたりがむずむずする。
頭を動かさずに、視線だけを自分の下半身のほうへ向けると、真一さんのあの手が……私のスカートの中へもぐりこんでいた。
手は、指先だけでお尻のあたりをゆっくりとなぞるように撫でていく。あのみとれるような美しい動きで。肌の上が粟立つ。背筋に電流が走ったような感じがする。
どうしよう。私が目が覚めたことに、真一さんはまだ気づいていない。
ここで声をあげたら、気まずくなって、絵を教えてもらえなくなったら困る。私は少し迷って、しばらく様子を見ることにした。