Tale.1-1
今日もかな
また大好きな君に
『あの子』の話を聞かされるの…
「おはよ、理夏子」
「おはよう」
いつもの通学路を歩いていると、後ろから『大好きな君』が走ってくるんだ
君には彼女がいるのに
「…それ部活の荷物?…重いだろ、持つよ」
そんなに優しくされたら…
『あたしの事好きなのかも…』
って勘違いして
違って
恥をかくだけだから
「いいよ、重くないし」
「ったく……いいから!」
「あ……」
詠介に鞄を奪われた
「返してよっ泥棒」
「返すかよー」
詠介がイタズラな笑顔で返した
私はまた
その笑顔と
君がする一つ一つの仕草で
また君を好きになるんだ__________
「返せー!」
「やだぴょーん」
こんな子供みたいな会話(?)でも
君といれるならそれでいいよ
こんな日々がいつまでも
続けばいいのに…………