投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Bullet
【レイプ 官能小説】

Bulletの最初へ Bullet 17 Bullet 19 Bulletの最後へ

少年-6

 アパートを出ると、閑静な住宅街は、騒然としていた。
 住民は、いない。
 いるのは、警察と、報道機関の人間だろうか。
 麦わら帽に、サングラス、厚手のコート。
 少年は、何も気にすること無く、道をフラフラと歩いていた。
 元々白い肌は、赤く腫れて火傷をしたように見える。
 夕焼けが綺麗だった。
 少年は、その夕焼け空を、少し恨めしそうに見つめた。

「おい、君! そこの君! 聞きたいことがあるんだ、署まで、ご同行願おう」
「抵抗は、しても無駄だ。完全に包囲されている」
「拳銃をこちらに渡し、降伏しなさい!」

 大きな盾を構え、武装した警官隊の一団が見えた。
 一丁の拳銃で出来たこと。
 少年が得た、わずかな時間、見せかけの力と幸せ。
 こんなものだった。
 
「やっぱり、幸せには、なれそうもないな。当たり前か……」

 少年は近づいてくる警官隊を無表情に眺めながら、自嘲気味に呟いた。

「大人しく、拳銃を渡して、投降しなさい!」

 少年は、懐から拳銃を取り出し、銃口を向けた。
 向けたのは、警官隊にではなく、自分のこめかみにだった。
 少年の口元が、ほんの少し笑っているように見えた。

「やめろ! やめるんだ! 早まるんじゃない! 罪を償うんだ、罪を――」

 何人かの警官が少年を取り押さえようと、飛び込んできた。
 だが、まだ距離がある。
 少年は、必死に走りこむ警官の顔を見ながら、呟いた。
 もし、罪を償うとすれば、人の手によるものではなくて――

「カ・ミ・サ・マ・ノ・イ・ウ・ト・オ・リ」

 

 ぱん。



−完−


Bulletの最初へ Bullet 17 Bullet 19 Bulletの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前