The guard who loves me-9
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―――その夜、
―――ガチャ・・・カチャカチャ
ランタンの灯りだけの薄暗いテントの中で、
ラグナは無言のまま一心不乱に手先を動かし続けている。
簡易の折り畳み机の上にはランタンの他には形状の違うバックやコンパス、サバイバルナイフ、そして無数の大小細かい金属の部品が林立し、
ラグナの流れるような手さばきによってみるみるうちに1つの物体へと形を変えていく。
「・・・・・・・」
―――カチャカチャ・・・・・カチャ・・ジャキーン・・・
やがて一際大きい金属音が響いた時、
ラグナの手の中には愛用の小型マシンガンが握られていた。
―――今ラグナがいるのは先ほどまで戦っていた場所から程近い森の入口。
側には小川が流れ、
周囲には人が住んでいるような気配はない。
気絶した女刺客とともに
この場所にテントを張った時に、半径数百メートルの範囲には対人用の罠と簡易警報器を設置しておいた。
もっとも新手が乗り込んできた場合については、恐らく役にはたたないだろうと踏んではいたが。