The guard who loves me-28
『・・・・ちょっと待て。まさか断る気か?』
「特別休暇1週間、それまでは携帯も留守番電話だ。仕事の話はそれ以降に聞いてやるよ」
『ま、待て。ラグナ!そんな勝手は・・・・』
―――ブチッ・・・・
―――ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・・・
無情に会話を打ち切ると、ラグナは携帯電話を部屋の隅に積まれていた旅行用のバックの上に放り投げた。
(・・・・・!!)
電話を終えたラグナの傍らにはサリー姿のファングが立ち、
ラグナと同じくらいの長身がなせる同じ高さの視線からラグナの瞳を覗き込んでくる。
「・・・暫くはここにいるのかよ?」
ファングの言葉にはどこか意地を張っているような、そんな仕草がみてとれる。
そんな彼女の雰囲気に気づくラグナはニヤリと笑いつつ、右手の人差し指をファングの顎に添え軽く上に押し上げていた。
「ああ。優秀な護衛役のお陰で、この国での取材は予定通り終わった。
休みなしで仕事はしたんだから、機械じゃあるまいし骨休めの休暇くらいとってもいいだろ?」
それを聞いて一瞬嬉しそうにしかけるも、
それを気づかれるのが癪だったのか、
すぐにプイと横を向いてしまうファング。
ラグナから見れば、そんなファングの仕草や気持ちは筒抜けだったのだが。
「わ、分かってるだろうな。この国では私以外に・・・・」
「ああ、お前以外の女には触れたりしないさ」