The guard who loves me-19
―――チュッ・・クチュクチュ・・・クチュ・・・・
生々しい水音を放ちながら互いを求めあう。
一切の言葉もないまま、
ラグナはファングの身体にもたれかかりながらゆっくりと彼女の背中を机の上に下ろしていく。
快楽の海に溺れていこうと意識が霞がかり始めた時、
ラグナは自らの後頭部にファングの掌の感触を感じた。
ラグナがファングの身体を一枚一枚剥いていったように、
ファングも同じくラグナの黒髪に手をかけ、音もなく手に巻き付けていた。
肩にまで伸びる自分の黒髪が女の手の中で絡めとられていくのを感じる。
そういえば、今は亡きレインも愛し合う時は
黒髪を手に絡めてくれていたな―――――
だがラグナがかつての恋人のことに思いを馳せたのも、その瞬間だけだった。
次の瞬間にはもうラグナの意識は目の前に広がる快楽の海の中に沈んでいった――――