The guard who loves me-12
「ファング・・・・」
「き、気安く呼ぶな!!」
きつい口調で反発しながらも、
視線を逸らしていたままのファング。
ラグナもフゥと軽いため息をついた。
「・・・私も女についてはそこそこ知識はあるし経験もある。
お前は聖府の刺客か殺し屋かは知らんが、
殺伐とした仕事か知らないせいか自分の中の女としての良さから無縁な生活をしているみたいだな。」
ラグナの脳裏に、
先程ファングの衣類を着替えさせた時に焼きついた彼女の裸体が蘇ってくる。
鍛え上げられた彼女の肉体には無駄な肉がないだけでなく、
過去に男によって開発された痕跡も数回若しくは皆無。
それがファングの裸体特に下腹部の黒い茂みから漂ってくる雰囲気からラグナ自身が察した結果だった。
「正直お前を生かしたままで、依頼主や仲間のことを色々聞き出そうと思っていたんだが・・・・。
今はもう、どうでもよくなった。
これからどこに行こうが好きにするんだな。
もう拘束する気はない」
「・・・今更どこへいけと言うんだよ」
「ん?」
「任務を果たせなかった以上・・・もう私は終わりなのさ・・・」
目の前の状況だけではなく
もう人生そのものにすら 達観してしまったかのような境地の発言に、
ラグナは改めて目の前の美女を見上げた。
今までどうでも良かった筈の女について、
もっと深くまで知りたくなったのだ。