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私欲工場
【熟女/人妻 官能小説】

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第1話 主任-2

それは、律子が不利な状況に立たされた場合は、美幸の方を解雇する意味合いだった。
大場はそう言いながら、律子の手を両手で握りしめて見つめた。
律子は、大場の握る手触りと、その眼鏡の奥に潜む不敵な笑みに、何か只よらぬ懸念を抱いていた。

「し・・・失礼させて下さい」

律子は大場の手を振り払うと軽く会釈をして、返事を濁したまま慌てるように応接室を出た。
応接室を出るとすぐに事務室に繋がっており、30代前半くらいの女が帰り仕度をしていた。
その女は事務員で、慌てる様子で出て来る律子に、不審な表情を浮かべていた。
事務員の女は、大場も一緒に居るのは知っていた。
それ故に、ふしだらな誤解を招いたようで、律子は少し気掛かりになった。
それでも、事務員の女は手を休める事無く、帰り支度に没頭しており、応接室での事は気にも留めてない様子だった。
 
「それじゃあ、お先します」
 
事務員の女は愛想を浮かべる事無く、無表情のまま律子に挨拶をして事務室を後にした。
この時、事務室の時計に目を向ければ夕方の六時を過ぎており、仕切り窓を覗けば、ミシンが立ち並ぶ工場内にも人影はなかった。
そのミシンが立ち並ぶ工場は、主に紳士服を縫製する工場だった。
従業員は、わずか30人程度だが、そのほとんどが女性工員で占められていた。
全盛期の頃は、その倍以上の従業員が居たが、バブルの煽りと安い中国製品の影響で経営が悪化し、ほとんどが解雇された。
現在の40代〜50代の従業員は、その当時に解雇を逃れた者だった。
もちろん律子も、その中の一人だった。
律子は、その人影の無い工場内を通り、奥の更衣室へと入っていた。

しばらくすると更衣室では、明かりを付ける事無く、窓から照らすわずかな夕闇を手掛かりに着替える律子の姿があった。
この時、被っていた白の三角巾は脱いでおり、ブラウンで染めた肩まで長いウェーブパーマの髪が覗いていた。
容姿も気品漂う端正な顔立に、女にしては少し背が高い細身なので、田舎風情漂わせる他の工員とは明らかに群を抜いて上品な気質だった。
それでも顔には、年齢から来る染みや小ジワも目立っていた。
ただ、それを覆い隠そうとする濃いめの化粧が、どこか妖艶で、性的な魅力を演出していた。
実際、若い男の工員からも、淫らな視線を送られる事もあった。

律子は、作業服のボタンに手を掛け、一つ一つをゆっくり外すと、シルクの白いキャミソールが覗いた。
胸元は小ぶりながらもツーンと立っており、キャミソールの下からでも分かるほどの美乳だった。
ロッカーを開けて作業服をハンガーに掛けると、続けざまに作業ズボンのホックに手を掛けた。
そのまま片足からゆっくり脱ぐと、ベージュのパンティーストッキングに覆われる細長い綺麗な脚が、夕闇と一緒に輝いていた。
ここで律子の手は止まり、しばらく物思いにふけていた。
職場での立場が、私欲まみれの大場の決断に委ねられてるかと思うと、一抹の不安が過るのだった。
美幸を差し置いて、主任に選出される事は、工員全てを敵に回す事と同じなのだ。
律子は、その不安を包み隠す様に、両手で自分の肩を抱いて身体を覆い隠した。
しかし、その覆い隠した身体が、やがて複数の私欲で汚されようとは、今の律子には思い知る由も無かった・・・・・・。


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