投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

小さな復讐
【ショタ 官能小説】

小さな復讐の最初へ 小さな復讐 25 小さな復讐 27 小さな復讐の最後へ

ニチヨウビ-15

 翌日、わたしとショウは空港にいた。
 2年前のショウは、お年玉を貰って喜んでいるようなごく普通の子供だった。
 まさか、その後こんな事になってしまうとは。
 女の子の成長は早いとよく言うが、男の子の場合もそれにひけをとらないではないか。
 ショウの、少し落ち着いた顔を見てそう思った。

「さ、ショウ君、もうそろそろ時間じゃないかしら?」
「あ、あのサオリさん、また、その……」
「フフ、そうね。またショウ君が頑張ってくれたら、考えてあげてもいいわ」
「僕、またサオリさんに会ってもらえるように、頑張ります!」
「もう。昨日みたいなこと、したいだけでしょう?」
「そんなことは……」
「じゃあ、最後に、ちょっとこっちに来て」

 ショウを物陰に呼び寄せると、わたしは彼にキスをした。
 ショウは少し戸惑ったが、キスに応じた。今までセックスはしたが、キスはしていない。
 順番が逆になったが、これで体の付き合い方は全て教えることになってしまった。
 ショウの唇に舌を差し入れると、ショウも真似をして同じようにした。
 やがて、ショウの舌がわたしの口の中で暴れだした。

「ふぅ……これで、終わりよ」
「サオリさん、僕、また……」

 ショウがもじもじと股間を押さえている。

「それは、我慢しなさい。昨日いっぱいしたでしょう? 男は我慢も覚えなきゃ」
「うう、はい、分かりました……」

 ショウは諦めたように、わたしから離れ、空港の搭乗口に向かう。

「じゃあ、サオリさん。あの……ありがとうございました」
「うん、またね」

 ショウは頭をペコペコさせながら、搭乗口の奥に去っていった。
 わたしはそれを手を振って見送ると、空港の屋上から飛行機が離陸するまで見守った。
 ショウは、間もなく学校でちゃんとした彼女を作っていくのだろう。
 わたしは、なんとなく、それを確信していた。
 それが当たり前だし、そうなるべきだった。
 ショウの実家がわたしの家から離れていてよかった。
 ショウが、わたしにおかしな依存をしなくて済むからだ。あるいは、わたしも……。
 この距離が、ショウとわたしをクールダウンさせてくれるのだろう。
 それでも、ショウがわたしを求めてきたら、どうしようか。その時は――――

 考えても、仕方がない。
 とりあえず、わたしはわたしの幸せをまず求めたい。
 クボタタツヤという男から、誘いを受けていたのを思い出した。
 財布の中に、彼の名刺が入っていた。元プロサッカー選手の指導者の卵か……。
 軟派そうな遊び人風の男だったが、子供好きで人の内面をよく見るシビアな所もあった。
 サッカーの試合を見たいと言っていたな。見るだけだったら……。

 空高く飛んで行く飛行機から出来る飛行機雲を見ながら、わたしは次の恋を探していた。


−完−


小さな復讐の最初へ 小さな復讐 25 小さな復讐 27 小さな復讐の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前