☆-1
トントン・・・
遠慮がちにノックされた部屋のドアに
勉強していた手を止めて振り向いた。
「はい」
母さんか美里だろ?
「お兄ちゃん・・・」
半分開けたドアから顔をのぞかせたのは
2つ下の美里だった。
「ん?どうした?試験範囲で分からないところでもあるのか?」
確か3学期制の美里の学校は
2学期制の俺の学校より定期テストが多く、そろそろのはずだ。
「ん・・・・ちょっといいかな?」
「いいよ。なに?」