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真夜中の淫謀
【レイプ 官能小説】

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深まりゆく関係-3

 病院に運ばれた父親は、半身不随にはなったものの命に別状は無かったらしい。母親は精神的に不安定になりながらも、どうにか仕事だけは続けていたそうだ。ひとり息子の大学の学費を払い続けるために。

「ただでさえ何もできなかった親父が、車椅子生活だよ。もうお荷物以外の何でもないじゃないか。入院中に僕は時間さえあれば病院に通って、あいつの耳元で『どうして生きてるんだ、はやく死ねよ』って言い続けてやった」

 介護するふりをして、食べ物を口の中いっぱいに押し込んでやった。うっかりを装って、ベッドの上にコップの水をぶちまけた。階段の一番上、その段のギリギリのところで、やめてくれと泣き声をあげるまで車椅子を揺さぶった。外から見えないところを何度も殴りつけた。生きる資格なんてないくせに、と罵りながら。

 ある朝、看護士が父親のベッドをのぞくと、父親は首と顔にぐるぐるとシーツを巻き付け、窒息した状態で亡くなっていたらしい。

「ふふ、それはさすがに僕じゃないよ。ちょっとおかしくなっていたんじゃないかな。それなりに保険も下りたし、最後に少しだけ家族の役に立ってくれたような気がする」

「そう・・・ひとつ聞いてもいいかしら」

「なんでも」

「お父様のこと、働かなかったから嫌いだったの?それだけ?」

 トオルはエリナから体を離し、表情の無い顔で天井を見上げたままぽつりとつぶやいた。

「母親が夜勤で帰ってこない夜、ちいさいころに風呂場で親父にされたことを、僕は一生忘れない」

 まだ幼いトオル。細い手足と、愛らしい顔。よく女の子のようだと言われた。母親のいない夜、酔った父親に風呂場に引き摺りこまれた。ふだんは一緒に風呂に入ったことなど無かった。体を洗われた後、思い切り足を広げられた。それから・・・それから。

 一度や二度ではない。男である自分を否定された気がした。忘れようにも忘れられない。思い出さないようにと心の奥底に何重にもふたをして沈めてあるはずなのに、ふとした拍子にひょっこりと顔を出してはトオルを苦しめる、忌まわしい記憶。


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