車内遊戯-4
今日、私は秋用の薄い素材のコートを着ている。
ちょうど、お尻の下までぎりぎり隠れるくらいの長さのベージュのコートだ。
コートの下は、黒いハイソックスと7センチヒールのパンプスだけ。
ああ、どきどきする。
ドアが閉まる。
電車が発車する。
私はいつもの場所で、ゆっくりとコートの前ボタンに手をかける。
ひとつずつ、震える手でゆっくりとボタンを外す。
ちょうど一番下までボタンを外し終わったその時。
真後ろに立っていた男性が、私の耳元でそっと囁いた。
「今日は、いつもよりずっと大胆だね」
私は凍りついたように動けない。
ドアに映った男性をガラス越しに見る。
にっこりと笑う男性はまだ若いサラリーマン風で、とてもきれいな指をしていた。
「ねえ、こうしてほしいの?」
男性はその美しい指を、私のコートの隙間に滑り込ませた。
いつもこうやって、触ってるよね、ここ、気持ちいいの?
男性は胸の突起を強くつまんだ。思わず、あっ、と声が漏れる。
また男性がささやく。声は出しちゃだめだよ。みんなにバレちゃうよ。
変態女だって。
私はうつむいて、唇を噛む。だって、本当のことだから。
今度は強く、乳房をつかまれる。そしてゆっくりと乳首を弄られる。
まるで反応を楽しむように。意地悪な指の動きは止まらない。
足が震える。もう、立っていられない。