車内遊戯-2
最初は夏だった。
仕事帰りにイライラしていて、ちょっと気晴らしのつもりだった。
ちょうど同じくらいの時間の電車に乗って、同じようにドアの脇に立っていて。
特急電車のドアは、私が降りる駅まで開かない。その時間は15分程度。
私は車内に背を向けて、ドアにぴったりとからだを寄せる。
ちょうど、ガラスの部分に、からだをくっつけるようにして。
それから、シャツのボタンをゆっくり外す。
後ろのひとにも、横のひとにも気付かれないように。ゆっくりとひとつずつ。
上から4つほどボタンを外すと、シャツの隙間から下着につつまれた乳房がのぞく。
電車は走り続けている。
私はゆっくりと、電車の外はまっくらでほとんどなにもみえないけれど、
その暗闇にみせつけるように、下着をずらせて、シャツの隙間から指を入れる。
胸の先の、ちいさな突起に指が触れる。
身体が跳ね上がりそうになる。ちいさな息が漏れる。