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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅 〜追記〜-1

 デレクシスが完全共有してテラスから飛び上がり、仲間の元へ行く。
 良く考えたら彼が精霊、ザックと完全共有するのを見るのは初めてだ。

『派手だなぁ……』

 背中とお尻に生えた青い羽に腕を包む緑色の羽毛、頭に赤い飾り羽根。
 綺麗だとかじゃなくて派手……グロウは思わず吹き出してしまった。

「……へぇ……あれが完全共有か……」

 後ろからアースが来てグロウの横に並ぶ。
 外見がそっくりな2人だが、アースは26歳で金色の目は左しかなく、右は縦に大きく傷が入って閉じたまま……最近、この傷のせいで怖がられるので黒い前髪を少し伸ばして隠している。
 グロウの方は20歳くらいの外見で、黒い猫の尻尾がお尻で揺れており、金目の瞳孔は縦型の獣の目、襟足だけ伸ばした髪を後ろで一つに結んでいる。
 以前は双子のようだったが、今は似てる兄弟と言った所だろう。

『キャラは?』

 グロウの問いかけにアースは顎でデレクシスの方を示した。
 そこには、騎士団を出迎えに行ったキャラが、完全共有したデレクシスを見て驚いている姿。

『ははっ、派手過ぎて驚いてんな、ありゃ』

 グロウはテラスの柵に肘をついて右手に顎を乗せて笑った。
 アースは背中を柵に預けて腕を組み、グロウに聞く。

「いつ記憶が戻った?」

『あ〜…3日前』

 デレクシスが過去に跳んだ日だ。

『いきなり思い出したからびっくりしたが……デレクが跳んだ事によって俺の過去も繋がったって感じだろうな……』

 グロウの言葉にアースは成る程ね、と納得して視線を向ける。

「……寄生って?」

 自分は魔獣ハーフだと思っていたのに、魔獣に寄生されてたとはどういう事だ?とアースは聞いた。

『魔獣は異界のエネルギー無しだと徐々に弱っていくんだ。それだと精々1000年生きれるかどうかってとこだな』

「充分じゃねぇか」

 アースは片眉をあげて見せる。

『はは……まぁな。そんな時にたまに他の生き物に「寄生」する事があるんだ。その生き物の生命力を自分のものにして、最終的に喰い破って産まれ変わる』

「それを俺にしたってのか?」

 グロウは苦笑するとアースから視線を外し、記憶をたどった。

『お前が産まれる前だから27年前か……』


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