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小さな復讐
【ショタ 官能小説】

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ドヨウビ-1

 土曜日の昼下がり、わたしは部屋で男を待っていた。
 
 男といっても、姉の息子、つまり甥である。
 しかも、わたしと20歳離れた小6の男の子だ。
 甥のショウはサッカークラブに所属していて、その遠征で来るのである。
 月曜日までの3連休で、それを利用した遠征なのだろう。
 本当は姉夫婦も付いてくる予定だったが、急用で来れなくなってしまった。
 それで、わたしに預かって欲しいと連絡が来たのだ。

 姉とは年が一回り離れていた。
 わたしにとっては姉というより、もはや保護者の一人という感覚があった。
 物心ついた時には、姉はもう働いていて一緒に遊んだ記憶もさほどない。
 だがよく人に気配りの出来る優しい姉で、ああいう大人になりたいと憧れたものだ。
 
 そんな姉も結婚をして、40を超え、少々ふくよかになり、子供も大きくなった。
 旦那もやはり姉に似た穏やかそうな男性で、生活も順風満帆という風に見える。
 
 わたしは独身で、現在彼氏はいない。
 男性との交際はそれなりにあったが、結婚を考えるほどの相手に巡り合えない。
 誰も彼も、肉体関係目当てにしか見えないのだ。
 無論、大人の交際ともなればセックスは重要な要素のひとつだが、そればかりの男が多すぎる気がした。どうしても、下心が透けて見えてしまう。
 
 しかし、そういう部分をわたしが気にしすぎているのかもしれない。
 姉は、おおらかな性格をしていた。結果、いい相手に恵まれ、立派な家庭を築いた。
 大なり小なり、男はセックスを求めるのである。
 そうでないと、種が絶えてしまう。よし、わたしも少しおおらかになろう。
 
 そんな事を決意してから1年以上経った。
 容姿にはそこそこ自信はあったが、男との縁がなかなか掴めなくなってしまった。
 今までお堅く振る舞ってきたツケなのだろうか。
 男性からは社内でも、おそるおそる、という感じで扱われている気がする。
 数年前までは結構食事に誘われたりしたのだ。
 もう少し愛想よく振る舞っておくべきだったのか。

 最後にセックスしたのは、いつになるだろうか。
 セックス自体は嫌いではなかった。
 気分の乗った時に、それなりの相手とすると、相手も驚くくらいの反応を示してしまう。
 他人と比べようもないが、感度がいいのか、かなりの痴態を晒してしまうのだ。
 皮肉なことに男との縁がやや遠ざかってから、感度も性欲も増したような気がする。
 ほとんどしなかった自慰を時々してしまうようになった。
 その最中に、ふとベッドの横に置いてある鏡を見てみる。
 セミロングの黒髪が乱れ、わずかに目尻の下がった二重の瞳が潤んでいる。
 若干厚めの真っ赤な唇が半分開き、その端から少し涎が垂れ光っていた。
 セックスに飢えた、いやらしい女の顔。
 
 だが、いやらしいだけではない、何か本能を刺激するような匂いたつ色気も感じた。
 わたしも、そんなに悪くないではないか。
 それを放っておく男共が、どこか許せない気分になった。


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