ドヨウビ-10
「ああ、ショウ君、わたし恥ずかしいわ……こんなに見られちゃって」
「もっと、もっと見たいです」
「そんなに綺麗なものなのかしら。ショウ君は、女の人のここ、初めてみるの?」
「は、はい……」
ショウはわたしの顔は見ずに、わたしのひくついている陰部を見て答えた。
今時はネットを見ればこういう画像は見れてしまうものだが、ショウはまだらしい。
姉夫婦が、何かパソコンにロックをかけて見られなくしているのだろうか。
「ねェ、ここ初めて見てどう思った?」
「なんか不思議な形で……見てると頭の中がモヤモヤしてきます……」
「ふぅん、そうなんだ。確かに、不思議な形ではあるかもね」
「あ、あの……サオリさん!」
「なぁに?」
「ここ、触ってもいいですか?」
「……ええっ?」
「駄目、ですか?」
本来大人しめなショウが、積極的になっている。
目に燃えるものがあるような気がした。わたしの形が火をつけたのだろうか。
女の部分には、否応なしに男を欲情させる力があるのかもしれない。
わたし自身も、既に火がつきかかっている。
今、触られたら……あられもない痴態をショウに晒してしまいそうだ。
わたしの頭の中の針が、危険な方向に向こうとしている。
晒してしまうのも、面白そうだ。ショウの熱い視線で、わたしもおかしくなってしまった。
「……どうしても、触りたい?」
「はい」
「じゃあ、少しだけよ」
少しだけ、と言ってしまった。
ショウが悪いのだ。あんなに熱心に見たりするから。男はなんで皆、そうなのか。
心の中で理不尽な文句を言いながら、体は別のことをしていた。
ショウの手をとって、自分の股間に誘導する。ここを、優しく触ってみて。
自分の膨らんだ陰核を指し示した。ショウの人差し指がおずおずと伸びてきた。
そして、そこにちょん、と触れた。
「おおぉう!」
思わず、えげつない奇声をあげてしまった。
ショウは驚いて指を離したが、好奇心が打ち勝ったのか、再度触れてきた。
指で陰核をもてあそぶように、くるくると撫でこすってくる。
「あっ、あっ、ああっ、ショウ君それいいわ! それもっと、強くして!」
わたしはびっくりするほど感じてしまっていた。
男に触られるのが久しぶりだからだろうか。それとも、ショウが上手なのか。
言われたとおりに、ショウが微妙に強く擦りだしてきた。
何故感じるのか、理由はもうどうでもよくなった。
早くイキたい。イカせてほしい。
いつの間にか、わたしの足の間にショウの頭があった。
ショウの顔が、陰毛に触れようとしている。
「あっ、ショウ君だめよ、そんなとこ、口でしちゃああああ゛あっ!」
教えたわけでもないのに、ショウの唇で陰核が扱かれ、舌で転がされた。
気持よくてしょうがない。わたしは、何か喚いていた。下品な事を言ったかもしれない。
股間のショウの頭を撫でた。なぜだか、とても愛おしいものに思えた。
陰核が吸われ、歯に挟まれると、もう我慢できなくなった。
「うううっ、駄目! もうイクわ! イクイク! 駄目! あああっ、あああああっ!」
足先が伸びて硬直し、体じゅうに気持ちいいものが流れた。
ああ、ショウにイカされてしまった……恥ずかしくも、心地良い感覚。
こういう感覚は久しぶりだと思った。
ひとり浸っていると、何かが覆いかぶさってきた。ショウである。