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セフレごっこ。
【女性向け 官能小説】

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朱里_セフレごっこ。-1

え、え、ちょっと待って。何で太一がここに。

あと数十分もすればあの人がここに来る。彼とは何回かデートを重ねて、初めてうちで会う約束をしていた。おそらく今日つき合って、セックスして…って流れだと思っていたのに。

なんで太一が急に来て、私は腕の自由を奪われてるんだ?



『ちょ…ちょっと待って!言ったじゃん、もう無理だって!…太一(たいち)ってば!』

「こっちも無理だって。朱里(あかり)、往生際悪いよ。」



太一は、昨日までセフレだった男だ。

高校で知り合い、大学時代に酒の勢いでセックスをし、23歳の現在までズルズルと関係を続けていた男。

セックスしても太一は私とつき合う素振りなんて微塵も見せなかったし、私もいまのかんじでいいやと思っていた。気の合う男友だちを、恋やら愛やらなんてあやふやなもので失うのは惜しいと思ったからだ。

幸い、お互いずっと恋人はいなかったし。

だが最近私に、恋人になりそうな男が出来た。だから太一には、いまの関係を辞めようとメールで一方的に告げた。友だちに戻ろう、と。



そうしたらこれだ。連絡もなしにうちに突撃し有無を言わさず私を寝室のドアまで追い詰めると、腰のうしろで両腕を掴まれた。ついでに両脚の間に膝を挟まれて、どうにも身動きのとれない状態とされてしまった。

私の制止なんて聞く耳持たずで唇を塞がれる。



『ん…ふ、ちょっと待…ンん…!』



やめろ、バカ。ただでさえ私の性感帯を知り尽くしてるのに、アンタとのキスは馬鹿みたいに気持ちいいんだ。

太一の器用な舌が、上顎の歯と歯肉の境目をちろちろと小さく舐める。あぁ、もう!背筋をぞくぞく反応させてしまう自分が悔しい。快感に従順な下半身が、もっと、と強請ってよだれを垂らしているのがわかる。

本心を言ってしまえば、そこはもう焦れったい。もっと舌にも絡ませてほしい。唾液もいっぱい欲しい。でもでもでも。



『太一…ホン、ト待っ…も、すぐ人…っ、来るからァ…!』

「じゃあ誰か来てもチャイム聞こえないように耳塞いだげる。」



キスの強襲の中やっとやっとで伝えたのに、太一の返事は私をあざ笑うかのよう。コイツのこういうところはホンットーにイライラする。そしてそれと同時に、好きなところでもあるから余計に忌々しい。

空いている片方の腕が上がり、私の耳たぶに触れる。縁をなぞった後、指が私の耳の中に入った。指先を軽く動かしたり、ずぼずぼと挿入を繰り返したり。

つい快感に身を捩っているうちに、更なる魔の手というべきかそれとも待ち焦がれていたというべきか、太一の舌が私の舌に絡まってきた。

ん…もっと。もっと欲しい。その舌で、もっとグチャグチャにかき回して。―――あ、ちがうちがう。ダメなんだってば。




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