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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-3

 ウィルに連れてこられたのは森と同化したような村だった。
 木々の成長を邪魔しないように建てられた家が並び、少し拓けた広場みたいな所で人々が談笑している。
 その人々の周りにもそれぞれ精霊と思われる生き物が居た。
 狐、馬、烏、蛇、蜥蜴、梟……こんなにたくさんの精霊を見たのは初めてだ。

「皆〜!彼、気がついたよ〜!」

「お、ウィル。そうか良かったな」

「痛い所とかは無いかい?」

 何だか友好ムード……悪い人達じゃなさそうだ。

「痛い所は無いです……でも……記憶が飛んでて……えっと、私はどうなっていたんですかね?」

 デレクシスはポリポリと頭を掻いて聞いた。
 村の人達は顔を見合わせてから、デレクシスに教える。

「アンタ、海岸に打ち上げられてたんだよ?……覚えてないのかい?」

「はい?」

 海に落ちた……のか?……海に………。

「ああ!思い出した!!」

 バリーとゼビアに向かっている途中、いきなり地面が陥没したのだ。
 そのままトンネルのような滑り台のような……そんな場所を滑り落ちて、勢い良く投げ出されたのは海の上。
 デレクシスの体は重力に逆らわず海に落ちた……と、言うワケだ。

「他に人は?仲間が居たハズなんです!」

「ううん。他に人は居なかったよ?」

「そ、そうか……」

 バリーは熟練の冒険者だ……そう簡単に死ぬワケはないだろうが……。

「とりあえずさ、明日捜しなよ?今日はもう暗くなるし……さっきの小屋に泊まっていいからさ?」

「ありがとうございます」

 そうだ、きっと大丈夫……デレクシスは自分に言い聞かせ、村人の好意に甘える事にした。

 その夜は、軽く宴会となった。
 人々が笑い踊る中、デレクシスはその中の1人の男から目が離せない。
 周りの人達とは雰囲気が違う……たくましい体つきに粗野な感じ。
 歳は40代ぐらい、茶色の髪に薄い緑色の目……優しい目付きをしているのに、デレクシスを見る時だけ鋭い視線に変わる。
 どうやら警戒されているようだ。

「ウィル……あの人は?」

 デレクシスは横に座っているウィルに顔を寄せて聞く。
 そんなデレクシスにウィルは少し顔を赤くして、彼の視線を追った。


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