時の邂逅-25
「そういえば、バリーは?」
「無事だ。騎士団と一緒にお前を捜しに行ってる。見つかったって伝令を送ったからそのうち戻るだろ」
次の質問にはアースが答える。
「お前とバリーが来るって連絡受けてたから待ってたんだが、来たのはバリーだけでな」
そこで、デレクシスが行方不明と聞きゼビア騎士団で捜索を始めた。
「したらよぉ、グロウがやって来て『デレクは北の海岸に居る』ってんでキアルリアと2人で行ってもらったらビンゴじゃねぇか……どうなってんだ?」
視線が人型になったグロウに集まる。
『さっきデレクが言ってたろ?500年前、俺は召喚師サガンと契約していた。そこに跳んできたデレクシスとも会ってる……あの、北の海岸は500年前お前が現れた場所だからな。あそこで待ってたら戻って来ると思ってた』
「今まで聞いた事ねぇんだけど?」
グロウの言葉にアースが突っ込んだ。
『……お前に寄生して生まれ変わったみたいになったからな……昔の事はすっぱり忘れてた……』
「寄生?!」
『詳しくは後でな』
今はアースの出生の秘密を話す場ではない、とグロウはアースの突っ込みをあしらう。
「……私が居なくなった後は……?」
デレクシスは聞きたかった事をグロウに問いかけた。
『南の召喚師の魔獣が放った光の塊の直撃を受けたお前は、爆発に巻き込まれて消えた』
しかし、その間に追っ手達は隠れる事が出来て、怪鳥はそのままどこかへ飛んでいった。
その場はなんとか切り抜けたと聞き、デレクシスは安堵のため息をつく。
『お前の肉片とかでもあったら死んだと思ったけど、なんも痕跡が無かったから未来に戻ったんだろうと分かった……それから1週間ぐらいだったかな……北の大陸が氷に閉ざされ、大陸間の争いが終結した』
お前が言った通りだった、とグロウは笑う。
『その後、サガンを中心にあの場所に村を作ったんだ』
「サガンは?」
『あいつは自決じゃなくて病死。最期は家族に囲まれて幸せそうだったぜ?』
グロウの話は嬉しいのだが、さっきまで一緒に居たのに既に過去の話で……デレクシスは複雑な心境になった。
『ちなみに……嫁さんはウィルっていう名前の水の精霊人だがな』
「はあ?!」
デレクシスは驚いてグロウを凝視する。
確かに、居なくなった後の事を頼んだが結婚しろとは言ってない。