時の邂逅-2
「感動の再開邪魔してごめんね〜?」
ザックとやってきた人物が声をかけてきて、デレクシスはハッと我に返った。
視線を移すとその人物は女性……と言うか、少女。
16歳ぐらいだろうか?まだ、幼さが残る感じだが躰つきはしっかり女性なアンバランスな時期。
その娘の髪は水色がかった金髪と言うなんとも形容しがたい色で、綺麗なブルーアイがとても印象的だ。
「……えっと……」
自分の状況が把握出来てないので、お礼を言うべきか警戒するべきか分からない。
「んふ、いい眺めだけど……服、乾いたから着てね?」
少女の言葉にふと自分を見ると……何て事だろう……素っ裸じゃないか。
「おおぅ」
かろうじて大事な部分が、かけられた布で隠されているのが幸い。
少女はクスクス笑ってデレクシスに服を渡した。
「服着たら出てきて?外に居るわね」
外に出ていった少女を見送り、渡された服を着る……とりあえず、服を洗って乾かしてくれた事にはお礼を言うべきだろう。
きちんと身なりを整えたデレクシスは、そっとドアを開けた。
外にはさっきの少女が手持ちぶさたな感じで待っている。
「服、どうもありがとう」
デレクシスが声をかけると少女は満面の笑顔で振り向いた。
その肩には妙に大きな胸ヒレを持つ魚が乗っている。
「どういたしまして」
ニコニコと返事をしたのにポカンとしているデレクシスに少女は怪訝な表情をした。
「……ねえ……大丈夫?」
「あまり……大丈夫じゃないかもしれない……」
全く状況が把握出来ない……ここは何処?君は誰?その魚は何?私に何が起きたの?的な……。
「とりあえず、皆の所に行こう?」
少し首を傾げた少女はデレクシスの手を取って歩き出す。
「あ、アタシはウィル。この子はポゥ」
『ピ』
ウィルと名乗った少女の肩で、魚のポゥが鳴く。
魚って鳴くんだっけ?と思いつつデレクシスも名乗った。
「私は……デレク。で、こっちはザック」
『クエッ』
「よろしくね。デレクとザック」
何がよろしくなのか分からないので、返事は出来なかった。