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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-19

「え……あ、すまない……」

 デレクシスは慌てて力を抜く。

「いたた……んもう……デレクのネックレスの跡ついちゃったじゃない」

 ウィルの谷間の少し上についた跡は、デレクシスが常に身につけているネックレスのもの。

「ふふ、お揃いみたい」

 痛いよりも嬉しそうに笑うウィル……デレクシスはそのネックレスを外してウィルの首にかけた。

「あげるよ」

「え、いいの?」

「指輪の代わりにね。ちょっとゴツいけど確かな品だよ」

 王族の持ち物なので素材も職人も一流だ。

「ありがとう」

 喜んで抱きつくウィルを抱き返してデレクシスは目を閉じる。

(離れたくない……神様……もし、そこに居るなら……お願いだから……ずっとこのままで……)

 そう祈らずにはいられなかった。


 時はあっという間に流れ、デレクシスがこちらに跳ばされてから1ヶ月が経とうとしていた。
 ひと月の間、必死に訓練をしてきたがデレクシスとザックは完全共有出来ない。

「う〜ん……ザック……私が嫌いかい?」

『クゥ……』

 上手く行かない事に落ち込んで、デレクシスとザックは地面に座り込んで項垂れる。

「焦るな。2、3年かかるつもりでやれ」

 サガンに慰められたデレクシスは苦笑いし、よいしょっと立ち上がった。

「あのさ……ウィルの事……頼んでいいかな……?」

 もの凄く言い難そうに言葉を紡いだデレクシスの頭をサガンは軽く殴る。

「知らん。責任は自分で取れ」

「勿論、取るつもりだけど……もしもの為にさ」

 デレクシス的にはこっちで一生を過ごす覚悟が出来ているが、未来に戻される不安がつきまとって離れない。

「……分かった。もしもの時はな」

「ありがとう」

 ため息をついて了承したサガンに、デレクシスは心から礼を言った。

 更に半月経ったある日、それは突然起こった。

『サガン!追っ手だ!!』

「!?全員散開!!1人でも多く逃げろ!!」

 サガンは精霊人に叫ぶと自分はグロウと追っ手の方へ走った。


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