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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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時の邂逅-10

「酷いなあ……」

「あははっごめんごめん」

 ケタケタ笑うウィルを見てデレクシスも笑う。

「ウィルが来てくれて良かった」

「なんで?」

「さっきまで、戻れなかったらどうしようって不安だったんだ」

 ウィルと話てたら少し気が楽になった。
 ウィルはデレクシスの両頬を手で挟むと、グイッと自分の方へ向かせる。

「ウィ……っ?!」

 何事かと目を見開くデレクシスの唇をウィルは自分の唇で塞いだ。
 ついばむようにキスをしたウィルは少し唇を離して小さな声で囁く。

「大丈夫だよ、きっと戻れるから」

「ウィル……」

「まだ不安なら一緒に居てあげる……ね?」

 ウィルはデレクシスの目を覗き込んだ。
 深い深いブルーアイは全てを優しく包む海の色……デレクシスは少し微笑んでウィルに軽くキスを返す。

「ありがとう」

 見つめ合って軽く笑い、再び唇を重ねた。

 多分、ウィルは慰めてくれているのだろう……これは間違っている……でも今は……この海に流されたい。

 ……などとカッコイっぽい事を考えてみたのだが、ぶっちゃけウィルの方が積極的に舌を絡めだし、デレクシスは押され気味。

「んんっぷはっウィル、ストップストップ!」

「なによ〜?軽薄王子の名が泣くよ?」

「いやいや、軽薄じゃ済まされないし……」

「いいんじゃない?……それともアタシ魅力無い?」

「魅力はある!直ぐに抱きたい!だが……」

「ならいいじゃない」

 ウィルはTシャツを脱いでデレクシスの両肩に手を着き押し倒した。

「わわっ」

 押し倒すのは良いが床は毛布しか敷いてない……という事は……。

ゴッ

 案の定、後頭部を打ち付けてデレクシスは悶える。

「……カッコわるぅ」

「ウィル……君ね……」

 ウィルのせいで頭を打ったのに、カッコ悪いと言われてデレクシスはムッとした。
 デレクシスに股がったウィルはクスクス笑いながら覆い被さる。


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