加藤エリナという女-4
「加藤・・・君は本当に・・・悪い子だ・・・」
部屋に入るなり、それまでのやりとりは何だったのかと思うほど教師は積極的にエリナの体を貪った。冷房のかからない部屋の中、エリナはあっというまに裸にされ、熱く火照りまだ塩素の香りが残る体を舐めまわされた。
互いの汗を交わらせ、舌を絡めるキスをし、乳房への愛撫を受け、性器を指で触れられた。まだ未発達な体では教師の愛撫を快感と感じることはできなかったけれども、少しずつ欲求が満たされていくと感じられること、それだけでエリナは満足だった。
教師がエリナの足を大きく広げて、そこに自身の性器を挿入しようとした。大きく怒張したそれは、まだ一度も男性を受け入れたことの無いエリナの中に入るのに随分と時間がかかった。
「痛いか?大丈夫か?」
「平気よ・・・先生、お願い」
教師が動くたびに激痛が全身を貫く。その痛みに歯を食いしばって耐えながら、エリナは恍惚とした表情の教師を見上げていた。
一番奥まで挿入された後は、何度か繰り返し突かれているうちに痛みが減っていった。やがて教師が体を小さく痙攣させながらエリナの中で果てたとき、彼女は自分の願いが叶えられたことを知った。
興味を惹かれた相手と体を重ねるということ。男に求められ、それを受け入れる。それが自分の望むことであると、エリナはこのとき初めて理解した。
また逆に言えば、それ以上はエリナの望むところでは無かった。
男性教師は夏休みの間じゅう毎日のようにエリナを自室に招き、体を求めた。そして最初の日から3週間ほどが過ぎたあたりで、彼はいつものように彼女を抱きながら非常に面倒くさいことを言い始めた。
「君とこんなことになってしまって申し訳ない。僕は君のご両親に正式に謝罪しに行こうと思う。責任を取りたいんだ」
つまり卒業したら結婚しようと言うのである。エリナは驚いた。彼女が求めていたのはそんなことではないし、正直なところ、もうすでに彼の体に飽き始めているところだったから。
「先生、そんなことしなくていいの。ねえ、ふたりだけの秘密でいいじゃない」
「だめだ。僕はいい加減なことをしたくない。君のことを本当に大切にしたいから」
どんなに説得しようとも、男性教師の決意は固かった。エリナは欲しいものに対して貪欲である一方、欲しくないと思ったものを押し付けられることに対する嫌悪感も人一倍強かった。
「わたし、もう先生のこといらない」
呆然とする教師をよそに、エリナは服を着て髪も整えずにすぐさま学校へと向かった。8月も終わりに近づいた夕方、日差しはまだ強くめまいがするほどに眩しかった。