カノジョノキモチ-1
ほんのりと爽やかな柑橘系の香り。
僕は今、彼女の暮らすアパートのベッドの上に横たわっていた。
隣には、憮然とした表情でベッドの縁に腰掛ける、その彼女の制服姿がある。
いかにも堅苦しい銀縁眼鏡の奥の目は切れ長で、その瞳は怜悧な光を持っていた。
だが、今のふくれっ面からはどこかあどけなさも感じる。
黒髪はまっすぐと背中まで流れ、制服は肌の露出を極力避けているかのようにスカート丈を長くしている。誰に聞いても第一印象は真面目そうとか、優等生タイプなどの答えが返ってきそうだ。
そして、それは実際にその通りなのである。
「ねぇ、そろそろ、やった方がいいんじゃないの?」
「……やるとか、いやらしい風に言わないで」