カノジョノキモチ-2
彼女との出会いは、全く唐突なものだった。
下校中に突然僕は彼女に背後から襲われたのである。
後ろから突き飛ばされ、そのままつんのめり、転んだ。彼女はその上に馬乗りになってきた。
その時、初めて相手が女だと気づいたのだ。変質者? 痴女? それとも?
驚いて大声を出そうとしたが、やめた。
彼女がどこか苦しそうに見えたのだ。何故、そんな顔をして人を襲うのか。
僕に襲われる理由は無かった。彼女の顔も、全く見覚えがない。
僕の上に馬乗りになった彼女の表情を眺めていると、その顔が僕の眼前まで接近してきた。
透き通るような、真っ白な肌。小ぶりだが形の良い唇。細くすっきりした鼻筋。
一瞬、美しいと思った。
その瞬間、僕の体に痛みが走った。
彼女が僕の首筋に噛み付いている。
噛み殺されるのか、と恐怖したが、どうもそういう事ではないようだった。
血を……吸われている?
信じがたいが、どうもそのようだ。妙に甘い痛みが、首筋にじんわり続いている。
吸血鬼? 馬鹿な、現実世界にそんなものが。
しかし、ならば今血を吸っている彼女は、一体何なのか。疑問が頭を駆け巡った。
しばらくすると、彼女はやおら立ち上がり、フラフラとそのまま立ち去ろうとした。
白い顔が、うっすら朱に染まっている。何故か、切なそうな哀しい表情をしていた。
「おい、君……君は何故そんなに、辛そうな顔をしているんだ?」
思わず、声をかけた。自分の体に異常はなさそうだ。
それより、彼女のほうが異様に見える。
不思議と警察を呼ぼうとか、助けを求めようとか、全く思わなかった。
むしろ彼女のほうこそ助けを求めているように見えたのだ。
僕は、立ち去ろうとする彼女の肩を掴んだ。彼女の体がビクンと震えた。
「触らないで!」
そう言うと、僕の手を払いのけようとしたが、そのままよろけて倒れこんでしまった。
どう見ても、彼女は何かおかしい。
救急車を呼ぼうか聞いたが、絶対に呼ばないで、と弱々しい声で答えた。
仕方がないので、タクシーを呼んで、彼女の家に連れて行くことにした。
タクシーの中で、彼女が指を噛んで、しきりに何かに耐えているような仕草を見せた。
呼吸も、少し荒い。
彼女の自宅と思しきアパート前に着くと、ふらつく彼女の腰を支えてやった。
するとその瞬間、彼女は身をよじってううっと唸り、歯を食いしばった。
横目で、僕をチラチラと品定めするかのごとく、妖しい眼で見ている。
高校生のくせになんという眼をしているのか。
眼を合わせたら、異性の心を奪い取ってしまいそうな魔力のこもった瞳。
この瞳を、見てはいけない。何の根拠もなく、そう思った。
彼女にどうにか玄関を開けさせ中に入ると、僕は一人でも大丈夫か聞いた。
彼女はそれには答えずに、玄関の鍵を閉めると、再度僕に襲いかかったのである。
しかし、彼女は悲しいほど非力だった。
なんなんだ、この女は。一体何を考えて、僕を襲おうとするのか。
力なんか無いクセに。泣きそうな顔をしている。
だったら、はじめから人を襲おうとするなよ。
さすがに腹が立って、今度は僕が彼女を押し倒した。
彼女は少し悲鳴を上げて逃げようとしたが、逃さなかった。
こんな真面目そうな顔をして、人を馬鹿にして。制服を剥がし取るように、脱がした。
よく見れば、名門女子高のものだ。下着姿にしてやった。いい気味だ。
うつ伏せで下着姿のまま喘ぐ女の姿を見ていると、僕も次第に劣情がこみ上げてくる。
少し華奢だが、尻はふっくら女らしい曲線を描いていて、何の飾りっけもない白いショーツがそれを覆っていた。その尻をぐっと掴んでみた。あっ、と甲高い声がした。
股間を触ると、もうグショグショに潤っている。
なんだ、この女は……股間をまさぐる指を追うように、彼女の腰がうねっていた。
眼鏡の奥の潤んだ瞳が、とろんと半分垂れた目蓋が、僕に媚びへつらっている。
僕は何故だか、暴力的な気分にとらわれた。既に、これ以上無いくらい勃起している。
僕も、自身の制服と下着を脱ぎ捨てた。彼女は、肩越しに僕の勃起を熱っぽく見つめている。
この変態め!
ショーツを剥ぐと、僕はそのまま彼女を後ろからいきなり犯した。
彼女の喰いしばった口元から唸るような低い声が漏れた。
遮二無二動くと、声が大きく、高くなった。
口に脱がしたショーツを突っ込んで、さらに突いた。
こいつめ! こいつめ! 彼女の体が猫のように反り返り、痙攣し始めた。
構わず突くと、彼女が動かなくなった。僕はそれでも突き、やがて彼女の中に射精した。