診察-4
先生は手をパッと放すと、美里に向かって心が重くなる言葉を発した。
「もしかしたら、深刻な病気かもしれません。触診を続けますね。」
「…。」
言葉にならなかった。一番恐れていた事が、現実になってしまうかもしれないのだ。
暗い美里の顔を見て気持ちを察したのか、無表情に近かった先生の顔と口調が穏やかになった。
「少し言い方がきつかったかな。大丈夫だよ。可能性は低いから。」
「本当ですか?」
「うん。だから、もう少しだけ診察するからね。」
「は、はい。お願いします。」
「じゃあ、ここはどんな感じですか?」
「あっ、えっ」
先生の口調と表情が元に戻ったかと思うと、美里の乳首をキュッとつまんだ。
診察なんだから、でも、なんて答えたら良いのか、頭の中を色んな考えがグルグルと回る。