診察-2
「今日はどうされました?」
メガネをかけた、真面目そうな先生が質問をする。この人は人生を楽しんでいるのだろうか、なんて美里は要らない心配をしていた。
「ノドが痛いのと微熱と…」
「そうですか。ではノドを見るので口を大きくあけて下さい。」
美里はボーっとしながら、「ただの風邪ですね。」と言われるのを待っていた。
「…あれ?」
メガネの先生が、美里の考えていた反応とは違う反応をする。心配性な美里の胸はドクン、と跳ねた。
「…風邪ですよね?」
「はい。風邪だと思うのですが少し違和感を感じるので、もう少し詳しく調べていきますね。」
「えっ、あっ、はい。」
こうして、美里の中で不安が広がる中、先生の診察が始まった。