序章・そんな流れでこうなりました。-4
…にも関わらず、思考と反して俺は首を縦に振ってしまった。
「―――よかった!」
…って違うだろ俺!すぐにハッとするが、俺の返事を聞くなり心底ほっとした様子で両手を口の前で揃える優羽。
その笑顔はいままでの何倍も可愛くて、俺が了承するまでの間かなり緊張していたことが窺えた。
(……まぁ…優羽さん可愛いし。ラッキーと思えばいい…かな…?)
うっかりとは言え、もう返事してしまったし。
うちには盗まれるような高価な物もないし、今さら返答を覆して優羽のあどけない笑顔を曇らせてしまうのもなんだか申し訳ない。
(三日間だし、どうにかなるだろ。)
もう楽観的に考えるしかない。
溜め息混じりに口元を緩ますと、優羽から右手が差し出された。同じように右手を伸ばし軽く握手を交わす。
「じゃあ、これから三日間よろしくお願いしますね!あ・な・た♪」
『―――あっ、あなた!?』
「だって、楓さんは私のご主人様ですもん。」
いや、だからって…肩が落ちてしまいそうな俺に、優羽はまた無邪気な笑顔を見せた。
何これ?
ドッキリ?夢?それとも俺の妄想??
(…俺、やっぱ返事間違えたか…?)
そうして、未だにまわらない頭のまま冒頭に至る。