...意外と?-1
ここ数週間というものの、郁がかわいく見えて仕方がない。
…まぁ元々かわいい顔立ちの子ではあるんだけど、そーゆう意味じゃなくて。
あと、“最中”だけじゃなくて。
最近はセックスが終わってからも裸のままでジャレ合ったり、だらだら喋ったり、一緒にテレビ観て笑ったりしている。そーゆう時の何気ない表情やふとした仕草でも俺は
(うわあああー!!!もー、何なのコイツ!!何このかわいさ!!)
…という心境になってしまって、隠しきれないニマニマした表情を郁に見られたくなくて抱きしめてしまう。
さらに、郁が自室へ帰るとまたすぐ会いたくなったり…
(何だそれ!少女マンガか!)
とは言え、会いたいもんは会いたい。
ということで、今日もこれから郁が来てくれることになっていた。
―――ピーンポーン…―――
(…郁だ!)
約束の時間よりも1時間ほど早い。
郁はいつも約束の5分くらい後にうちを訪れるから、それはかなり珍しいことだった。
(でもうれしいから全然気になんねー…ばかだ俺。)
駆け出したい衝動と笑みを抑えてドアを開ける。
でもそこにいたのは…
「…久しぶり。」
ゴテゴテに巻いた髪に、ヤる気満々の媚びた服装。
以前郁のパンツを拾った、元彼女だった。
『…ぇ…』
郁だとばかり思っていた俺のからだは硬直しまともな言葉も出てこず、そんな俺に元彼女は怪訝な顔をしている。