...意外と?-7
「…かわいい。大好きです。」
(男に言う言葉じゃねーし…つーか、かわいいのはお前だっつーの。)
赤らめた顔は、郁に手を塞がれて隠しようがない。
敗北感いっぱいのまま俯いていると、郁が覗きこむようにチュ、と触れるだけのキスをくれた。
なんでそうやって、その時いちばん欲しいものをくれるんだ。
『俺も…郁が好き…』
もう一度与えられたキスに唇で応え、郁を抱きかかえ膝の上に乗せた。
何度も好きとつぶやきながら食むようなキスを繰り返す。
俺の視線の正面には、郁の顎。
いつもは身長差で俺が郁を見下ろしていたから、キスをする度に顎を上げるのはこそばゆい違和感がある。
「夏目さんを上から見るの、なんだか新鮮ですね。」
ふふっとやわらかく笑う郁。
同じことを考えていたってだけで無性にうれしくて、胸に顔をうずめて抱きしめた。
「…ん…っ」
唇や頬でやわらかい胸を味わいながら、背中のファスナーを下げた。
なだらかにくびれたウエスト。
きめの細かくて、さらさらした肌。
ブラジャーのホックを外して何度も何度も撫でるように触れる。
「…あ、ん…ん…」
郁から漏れる吐息を聞くだけで達してしまいそうだ。
『郁…もっと鳴いて…もっと聞かせて…』
空いている手を下げクロッチの中に差し入れる。
ひゃっ、と顎をぴくんと上げる郁のきれいな首筋にキスをした。
トクン、トクン、と小さくもしっかりと脈打つ鼓動。
細い鎖骨。
俺の指をふやかす蜜液。
心底気もちよさそうに潤ます瞳に、俺の首元にかかる湿った吐息。
何もかもかわいくて、きれいで、淫猥で…