...意外と?-6
(うぁ、その顔…やば…)
微笑む郁があんまりにもまぶしくて、視線を落とした。口元がほころぶ。
自分の気もちを自覚した途端、いままでよりも郁がもっとかわいく見える。
顔が火照ってしまいうまく郁の顔をうまく見れなくて、唇にキスを落とした。
『―――あっ、つーか!いつまでも玄関立たせてごめん!』
顔を引き離して腕を引き、リビングのソファへ促した。
(…あれ、なんか流れで手握っちゃったよ俺…)
二人でソファに座ったはいいが、手の放すタイミングがわからない。
強く握りしめた手の平が汗ばむ。
(何だこれ…中学生でももっと上手くやるだろ…)
「…夏目さん?」
俺の様子にふしぎそうな郁の顔が近づいた。
それだけなのにやっぱり俺は顔に熱を感じ、腕を前に出して顔を隠した。
『…ごめん郁。すげー今さらなんだけど、緊張して…』
だっせぇ、と一人愚痴る俺をよそに、郁はソファを降りると俺の正面に膝をついた。
顔を隠してる俺の腕は、あっけなく脇へ除けられてしまう。