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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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王様の嫁取り大作戦-8

「国王?!」

「げ、バレた」

 ハーモニカの君の正体はなんとドグザールだった。

「意外ですね」

「似合わねぇのは分かってっよ……だあら隠れて吹いてたのに……魔法使いってのは厄介だよなぁ」

 横に降りてきたアースを軽く睨み、ドグザールはハーモニカをくるくると指で器用に回す。

「他言はしませんよ」

 アースは苦笑してドグザールの横に座った。
 もしハーモニカの君の正体がドグザールだと分かったら、騎士団の士気に関わりそうだし……。

「今、キアルリアがイズミ姫と話してます」

「そっかぁ……」

 ドグザールはくるくるとハーモニカを回しながら、反対の手に顎を乗せる。

「なんからしく無いですね?」

 女に対しては悩まずにガツガツ行くタイプだと思っていた。

「歳とると臆病になるもんなんだなぁ……」

 ドグザールはぶはぁっと大きくため息をつく。

「イズミは25だろ?41のおっさんを相手にしてくれっかなぁ〜…とか、打算で選んだと思われやしねっかなぁ〜…とかさぁ〜」

「うっわ……本当にらしくねぇ……」

 キャラは当時20だった上に打算丸見えで求婚したクセに……。

「キアルリアは……棚ぼた的だったしなぁ……好みではあるが……恋愛ってなるとまた別だな……」

「イズミ姫は本気なワケだ?」

「……ん〜…じゃなきゃサイラに乗り込もうなんて思わねっだろ?」

「そうだなぁ……」

 礼儀正しい言葉遣いなどとうに止めてアースは答えた。

「あいつさぁ……どうせサイラからは出られねぇからって結構、自暴自棄だったんだな……」

 生きる事自体に投げやりな感じで、気に入った男とは全員寝ていた。

「籠の中の鳥って感じでさぁ……まぁ、初めは姫ってのは可哀想だなぁってくらいだったんだが……」

 ファンでの戦いの時、意外にも冷静に対処してやれる事を必死にやっていた彼女を見た時に……。


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