王様の嫁取り大作戦-4
「ドグ!!膝にきてっぞ!!」
キャラが素早く長剣を払ってドグザールの太股を叩く。
切れないようにちゃんと剣の腹で叩いているが、力は加減してないので痣が出来ただろう。
「いってえな、歳を考えやがれ!」
「甘えるな!そんなじゃ一生独身だな」
「んだと?!」
ドグザールは姿勢を低くしてキャラに迫る。
ガキンッ
剣同士がぶつかり、激しい音と共に火花が散った。
「本気ならイズミを拐いに行けよ」
交差する剣越しにキャラは言い放つ。
「馬っ鹿野郎……俺個人の感情で戦争起こすワケにはいかねっだろうが……」
力で捩じ伏せようとドグザールは体重をかけ、重みでギリギリと剣がしなった。
「トップに立つ奴が幸せじゃなかったら、その国は結局それまでなんだよっ!」
キャラはふっと力を抜いて剣をずらす。
「うおっ」
キャラの長剣の上をドグザールのロングソードが滑り、そのわずかな隙を逃さずにキャラが長剣を捻り上げた。
カキンッ
小気味良い音と共にドグザールの手からロングソードが飛ばされ、地面に突き刺さる。
ザッとその場から飛び退いたドグザールの元居た場所に、キャラの長剣が振り下ろされた。
「っぶねぇな!!」
ドグザール王顎に滴った汗を手で拭い取る。
「女1人自分のものに出来ない男に誰がついて来るってんだ!!」
空振った長剣を引き戻したキャラは、それをドグザールに突きつけて怒鳴った。
「言ってくれっじゃねぇか……よっ」
ドグザールは突き刺さっているロングソードまで走り、その柄を掴んで引き抜く。
それをそのまま槍投げの様にキャラに向かって投げた。
キャラはドレスの裾を手に取り、バサリと翻す。
ロングソードはドレスに絡め取られ勢いを無くし、地面に乾いた音をたてて落ちた。
しかし、それで一瞬キャラの視界が遮られ、その隙を狙ってドグザールがキャラの背後に回っていた。
「!!?」
キャラは後ろから長剣を持った右手首を掴まれ、首を締め上げられる。
「くっ」
「そこまで言われて引き下がれっか!イズミを手に入れた上でゼビアを守ってやらぁ!!」
ドグザールはキャラの耳元で怒鳴り、その大声にキャラは顔をしかめつつもニヤリと笑った。
「その言葉、忘れるなよ!」
キャラは左肘を思いっきりドグザールの腹に叩きつける。