王様の嫁取り大作戦-17
ファンに戻ると直ぐにゼビアに連絡を取り、イズミ奪取成功の報告と3ヶ月後に式をあげる旨を伝えた。
ゼビア側は大慌てで式の準備を初めている事だろう。
ファンが結婚祝いにと、馬車をプレゼントしてくれたので帰りはそれでのんびり帰る事になった。
慌ただしくゼビア出発の準備が進められる中、ドグザールは始終ニコニコデレデレしており、さすがにイズミも我慢の限界。
「一国の王なんですから少しはシャキッとして下さい!」
ゼビア用の離れでイズミは腰に手を当ててドグザールに怒る。
「照れるなよ」
「照れてません」
と言いながら顔は赤いイズミ。
「可愛いなぁお前ぇは」
怒るイズミなど無視してドグザールは彼女の後ろから抱きつく。
「昼間っから止めて!」
「明るい方が良く見えっじゃねぇか」
逃げようとするイズミの腰を両手で抱えてひょいっと持ち上げ、そのまま寝室に移動。
床から足が離れ、イズミはバタバタと暴れたがドグザールはびくともしない。
「ちょっと!止めてってば!」
「うっせぇ、やっと手に入れたんだ。我慢なんか出来っかよ」
寝室のドアを足で蹴り開けて中に入ると、背中でドアを閉めてツカツカとベットへと移動した。
腕を伝わってイズミの心臓がドクドク脈打っているのが分かる。
「緊張してんのか?」
赤く染まったイズミの首に後ろからキスを落としたドグザールは喉を鳴らして笑った。
「っぁんっ」
首筋に響くドグザールの声に感じてしまったイズミは小さく声をあげる。
「敏感だなぁ」
「やっ……喋っぁ」
ドグザールは益々笑い、ベットにイズミごと腰掛けた。
今日はいわゆるお見合いだったのでイズミのドレスはちゃんとしたもの。
ドグザールはそれを破かないように脱がす為、まずは背中のホックを丁寧に外す。
あらかた外すとずりさげてドレスを脱がし、今度はコルセットの紐をほどいていく。
「なんか……慣れてますのね……」
姫のドレスは複雑な作りになっているのに、脱がし方に無駄が無い。
「お前ぇ俺を何歳だと思ってやがんだ?41だぞ?いい加減覚えるっつうの」
結婚はしていないが、男として枯れているわけではないのだ。
綺麗な女が居れば誘うし、誘われれば勿論応じる。
ドグザールはコルセットの紐を全部ほどくと、それをコトンと外した。
長い黒髪に縁取られた雪の様に白い肌に残るのは、ショーツとガーターとそれに繋がったストッキング。