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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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王様の嫁取り大作戦-11

「おう!そんぐれぇならなんとか出来そうだな、直ぐに行こうぜ!」

 本当にこの危険性が分かっているのか、と思ってしまう口調だがドグザールの表情は険しかった。

「焦るな。準備に3日かかるし、魔法陣は学校に在る。リンに連絡して準備してもらっとこう。その間に国王も準備を」

「オレはファンとカイザスに連絡する」

「おう、頼むわ。後……城の奴らの説得も……」

 ちょっと申し分ないように言ったドグザールに、キャラは任せなさいとウインクする。


 城のお偉いさん達を何とか説得しての3日後、学校に着くと連絡を受けていたリンが準備万端で待っていた。

「魔法陣操作はアースよりもアタシが上だからアタシが送るわ」

 既に魔法陣は点滅するように光っている。

「いいですか?細胞がミクロ単位まで分解されるんでかなり危険です。魔力の流れに逆らわない事。移動は一瞬ですが国王自身は結構な時間に感じるハズなんで焦らない事。ファンで親父……じゃなくてベルリアが待機してますから、ベルリアが良いと言うまで魔法陣から出ない事。以上3つの事だけは守って下さい」

「お、おう」

 細胞がミクロ単位まで分解、と聞いたドグザールはさすがに冷や汗が流れた。

『俺がついていくから少しは安心していいが、ぶっちゃけ何かあっても俺には何も出来ねぇから』

 魔獣のグロウが猫サイズになってドグザールの肩に乗る。
 アースと分離してからは人間が使う魔法は使えなくなったので対処は出来ないが、アドバイスなら出来るのだ。
 猫サイズなら追加されても何も問題はない。

「覚悟は?」

「オッケィ!!」

 大きく息を吸ったドグザールは慎重に、しかし、力強く魔法陣に足を踏み入れた。


 ゾワッと足の先から頭のてっぺんまで身体の中が泡立ったかと思ったら、上下左右が分からない空間に投げ出された。
 何となく猛スピードで移動しているのは分かるが、体が動かない。
 まあ、ミクロ単位にバラバラになっているのだから動かす物自体が無いのか、と考えたら少し怖くなった。

『余計な事考えるなよ』

 物凄く低くのろく響くグロウの声に、どうやって声を出しているのか不思議に思いながら、慌てて忠告通り余計な事を考えずにひとつの事だけに集中する。

 ……イズミ……イズミ……イズミ……

 永遠に続くかと思われた移動は何の前触れも無く、いきなり終わった。

「っどあっ!!」

ゴッ

 乱暴に魔法陣に投げ出されたドグザールは、後頭部をしたたかに打ち付けてしまい頭を抱えて悶絶する。


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