恋していた-7
……先生、嫌…嫌だ…
先生を想ってきた心が、唇が、踏みにじられてく…
「あ………や、やぁ…---!」
乱暴な手つきでスカートの中をまさぐられ、一層泣き叫ぶと、再び唇が封じられる。
「もう…遅いんだよ…」
先生…
…私、先生に……
「---…ちょっと!ここ開けなさいよ!」
瞬間、彼の動きが止まり、空気が停止した。
外からは、ドンドンと扉を叩く音がする。
竹田君は、私を見る、切ない瞳。
強く掴んでいた私の手首を、優しく私の体に預けた。
立ち上がり、歩いて行く。
私は、自分の心臓の音がうるさくて、天井の模様から目が離せなかった。
ドアを開ける音が耳に響く。
「なんだよ、由香…」
---パシッ!
…何……?
首だけ傾けて扉の方を向く。
竹田君は頬を払う様な仕草をして、誰かを睨んでいた。
あれは…伊藤、由香さんだ。
「…ってぇな。」
「最っ低。なにやってるわけ?」
「なんで止めんの?」
「止めるに決まってんじゃん、犯罪だっつうの。」
伊藤さんは竹田君を押しのけて、私の方に駆け寄ってきた。
「畑本ちゃん、大丈夫?」
言いながら、服装の乱れを整えてくれる。
「お前だって高橋のこと嫌いだろ?
復讐してやりたいって思わねぇのかよ。」
少し遠くから声がする。
「あんたと一緒にしないでよ。
私はぁ、ホントのことが知りたいだけ。
それに畑本ちゃんは全っ然関係ないでしょ。」
「誰でもいいんだよ、別に。
…あーあ、もう少しだったんだけどなぁ。
じゃね、詩織ちゃん。」
ひらひらと揺れる手が外に消えて行くのを見て…少しずつ冷静になっていくのを感じた。