恋していた-6
「…交換条件、呑める?」
「交換条件、って?」
「要するにね、」
すっと立ち上がり、こちらをじっと見たまま真っすぐ歩いてくる。
なぜか、苦しそうな瞳で私を見る…
…あ…今、他の人を見てる……
---瞬間、強く押し倒された。
「いたっ、な、何っ…?!」
「こういうコトだよ。分かんない?」
右手が私の髪の毛を撫で、左手が内腿をなぞる。
血の気が引いた。
「…やめてっ!」
彼の指から逃れようと、必死に身体をよじる。
「抵抗すんの?」
「だって…こんなの、変。」
「変じゃねぇよ、だって高橋がクビになるの嫌なんだろ?」
「でも、そんな…」
「このままじゃ辞めさせられちゃうよー?詩織ちゃんが考えなしにチューしたせいで。」
「………。」
黙り込んだ私に気を良くして、竹田君は再び私の身体に指を滑らせた。
うわ…
彼の手が、スムーズにセーターを脱がせる。
覆いかぶさった彼の影が私に重なる。
---逃げられない。
「…やだっや、触らないで…っ!」
「なんだよ、今更…」
「嫌っ…先生!やだ、やだぁっ」
いきなり、私のものじゃないみたいな、大きな叫び声。
竹田君は、舌打ちをして腕に力を込めた。
「…もう遅いんだよ。
あんた…早く俺のもんにしなきゃなんねぇから。」
「や、やだ…んぅ、ん!」
さっき抵抗出来ていたのは、彼が手加減していたから。
無理矢理なキスを避けることもできなくて、そんなことに気づいた。