意味深なことを言う。-4
「あ、ん!なんか…!」
『郁が前にしてくれたの、マネしてみようかと思って。』
指の股を硬くした舌で弾く。
指の腹に唾液をたっぷり含ませる。
根元に向かって垂れるしたたりを根元から舐めあげ、吸引する。
全部、郁が俺の自身にしてくれたことだ。
「…夏目さん…」
俺の意図に気づいた郁が、ボトムごしの陰茎に手を伸ばした。
『―――ん…っ…うれしいけど、今日はダメ。』
「…わ、ひゃあっ?」
郁のからだをうつ伏せにし、自分と郁の衣類をすべて剥いだ。
「夏目さ…あぁ、ん…!」
うなじ。肩。二の腕。
背骨。小さなおしりに、ひざの裏。
いままで触れたことのない場所にも、次々と愛撫をくり返す。
…本音を言えば、もちろん熱いソレに舌を這わせてほしい。だけど…
(…もっと…全部見たい…)
全部見せてよ、郁。
無邪気な笑顔も、いつもはそれに隠れてる幸悦とした表情も。
恥ずかしいところも、自分じゃきたないと思っているところも。
どこが気もちいい?
どうするともっと鳴いてくれる?
(もっともっと知りたいって、つい思っちゃうんだ―――…)
過去の男がどんなんでも、何人いたって、俺でぜんぶ上書きさせてくれ―――