意味深なことを言う。-3
「ん…ふ…」
ひとつだけでいい…
俺しか知らない郁が欲しい―――
「ふっ…ん、夏目さ…っ」
舌先を尖らせ口角の内側をちろちろと舐める。
唇が半開きになったところで舌を押し込み咬合面をなぞった。
「んああっ…」
きれいに並んだ歯列とそれを覆う歯肉に舌を這わせていると、焦れた郁の舌に絡め取られた。
郁のからだをベッドに沈ませ、舌で円を描くように動かしながら唾液を流し込む。
「…ん、んあ、っふ…!」
ぎゅっと目を瞑り、喉を鳴らしてそれを飲み込む郁。
喉を通すと、小さな肺が爆発してしまいそうなくらい息を乱しているのにまた舌を出す。
かわいい顔して、まるで獣だ。
「…はっ…は、夏目さ…っ」
二人の間には、細い細い脆弱な糸。
そこに大きな雫が流れ、重みに耐えかねた糸が切れて郁の赤い唇に落ちる。
それを舐めとると、郁が照れた表情で口角を上げた。
(それ…もっと見たい…)
カーディガンのボタンを外し、華奢な鎖骨にキスを落とす。
そこから耳まで舐め上げると、小さなからだが震えた。
耳たぶを口の中で転がす度に、唾液が首筋を辿ってシーツを濡らす。
「んっ、ん、あぁっ」
俺のシャツを郁の手がきゅっと掴む。
その腕を掴み指を頬張ると、郁が小さな呻いた。