returns to one-9
「瑛介、続き…シよ…?」
俺の両頬を優しく掴みながら沙也がゆっくりとからだを倒す。
一緒にベッドに沈んだ俺の口唇に、何度も何度も沙也の口唇が重なった。
『…沙也……』
颯太とは高ニのクラス替えで知り合った。
俺と違って優しい眼をしていて、人懐っこく笑う奴で、誰にでも好かれる良い奴で…
颯太なら、お前にそんな顔させないんだろうな。
手を繋ぐ二人の後ろ姿を思い出した。
俺だって…辛い笑顔をさせたい訳じゃないのに…
やり切れない気持ちで挿入を再開する。
「あ…っ、んんっ瑛介…!気持ち良い…!」
『…ッ、沙也…俺も気持ち良い…』
「あぁっ…あぅ…うん…うん…!」
何度も頷く沙也。
…気持ち良いのなんて、当たり前だ。
俺達は元々ひとつだったんだから。
なのに偶然の産物だか何だか知らねぇけど、そんな訳のわからないもので二つに分けられてしまった。
それをただ、ひとつに戻したってだけだ。
居心地の良くない訳がない。
「あ、あぁ…っ、瑛介…!瑛介あたし…!」
言わなくたっていいよ、沙也。
悩ましげな表情を見なくたって、締めつけが強くならなくたって、そんなんわかってるから。
お前だってそうだろ?
直感なんて不確かなものじゃなくて、言葉じゃどう表現していいかわかんねぇ部分で理解してんだろ?
「…んっ!あ…あぁっ!ッ、あぁ!」
先端ギリギリまで引き抜いて奥まで突き刺すのを、勢いをつけて何度も繰り返す。
その度に沙也の最奥は分厚い壁で外力を吸収し、互いに強い快感を与えてくれた。